鶴ヶ島に咲く夢の花「サフラン」が叶えるビューティー&ヘルスケア

鶴ヶ島に咲く夢の花「サフラン」が叶えるビューティー&ヘルスケア

パエリアやブイヤベースを黄金に色づけ、芳醇な香りを加える香辛料サフラン。“世界一高価なスパイス”として有名ですが、美容・健康にも大きな力を発揮することをご存知でしょうか。

高級スパイスのもうひとつの顔

そもそもサフランとは、西南アジア原産のアヤメ科の球根植物で、その雌しべの柱頭を乾燥させたものが一般に流通しています。雌しべの柱頭は1輪に3本しかないため、1グラム生産するのに140輪もの花が必要になります。さらに、摘み取りはすべて手作業と手間もかかり、高いものだと1グラム当たり2000円の値がつくといいます。

日本には江戸時代に生薬として伝来し、血の巡りをよくする働きから、冷え性や月経不順、更年期障害など婦人病の妙薬として用いられてきました。明治時代後半には、裏作として全国で栽培が推奨されましたが、産地として定着したのは大分県竹田市だけでした。

ところが2013年、関東地方に主だった産地がないことに目をつけた埼玉県鶴ヶ島市が町おこしの一環として特産化プロジェクトをスタート。そして2016年5月、サポート企業である株式会社フッカーコスメチックスによって、日本初の純国産サフランコスメとサフランハーブティーが誕生したのです。

サフランパワーで素肌いきいき

株式会社フッカーコスメチックスは、東京都板橋区にある小さな化粧品会社。大正3年の創業以来、低刺激な自然派スキンケア商品を中心に、製造販売・OEM事業を展開しています。

同社が開発したサフランコスメのひとつ、『サフラーナ ソリューションゴールド』(50ml・5940円税込)は、原材料の99パーセントを美容成分が占める美容液。精製水の代わりにカナダ産のメープルウォーターを使用し、そこにプロテオグリカンやプラセンタエキス、コラーゲン、ヒアルロン酸、そしてサフランエキスが贅沢に配合されています。

「サフランの柱頭に含まれる『クロシン』という物質がすごいんです。今まで植物性エキスを何十種類も扱ってきましたけれど、これだけパワーのあるものはないなと驚きました」と代表取締役社長の榎本盛次さん(73歳)は熱をこめて話します。

クロシンが顔中の毛細血管を活発化させることで、肌代謝が上がり規則正しいターンオーバーを促します。また、加齢とともに衰えてくる抗酸化力を補い、肌老化を防いでくれるというのです。

使用方法は、化粧水と乳液の間に1プッシュ分を顔全体になじませます。ジェル状のテクスチャーがよく伸びて、とても軽いつけ心地。乾燥しやすい目元や口元に重ねづけしても重たくなりません。

この他にも、洗顔用石鹸、化粧水、乳液、クリームなど全7アイテムをラインナップ。お試しミニサイズ5点セット(1万1500円税込)も用意されているので、ライン使いで試してみたいという方にはこちらがおすすめです。

体を温め整えるハーブティー

老若男女問わずリピーターを増やしているのが、『サフランハーブティー』(8包・1944円税込)です。ルイボスティーをベースに、ジンジャー、シナモン、カルダモン、ローズヒップ、サフランをブレンドし、すっきりとした飲み口に仕上げられています。

「サフランだけだと独特の風味が強く出てしまうので、好き嫌いがはっきり分かれていました。なので、誰でも飲みやすいものを目指して、何度も試作を重ねました。たっぷり煮出しても濃厚で、コストパフォーマンスも意外に良いんですよ」

愛飲者からは、気分がリラックスして寝つきがよくなり、お通じも改善されたという声が多数寄せられているそう。男性からは、二日酔いのつらい朝に飲むと頭がシャキッとするという感想も。また最近では、認知症やがん予防にも有効という研究報告がなされるなど、期待される健康効果は計り知れません。

サフランコスメ、サフランハーブティーともにインターネットで購入できる他、鶴ヶ島市のふるさと納税の返礼品に採用されています。

小規模・高品質の鶴ヶ島産サフラン

同社が仕入れる鶴ヶ島産サフランは、地元のベテラン農家をはじめとした『鶴ヶ島サフラン・スーパーサポーターズ』によって有機栽培され、ISO(国際標準化機構)が定める着色力・風味・香りの3項目で、“世界最高水準”であることが認められています。

高品質のポイントは、水も土も使わない室内栽培で育て、花が咲ききる前に手摘みすること。ふくらみかけたツボミを指先でたたき、雄しべの花粉が付着しないよう、雌しべのみをそっと抜き取ります。開花期間は年に一度の20日間ほどしかないため、繊細な作業を手際良く行うことが求められます。

「市場に出回っている多くは外国産です。しかし輸入に頼ると、金銭的にも時間的にもコストがかかるばかりか、粗悪品が混じっていることすらあります。肌や口に直接取り込むものですから、安全安心なものがいいですよね」

とはいえ、年間生産量は全世界の約20万分の1と、鶴ヶ島市の挑戦はまだまだ始まったばかり。サフランを町の顔にするためには、特徴的な商品を作ってファンを獲得する必要があります。しかし、どうして地元企業でない同社が、その貴重な資源を託されたのでしょうか。榎本さんはこう話します。

「サフランコスメは、我々のような零細企業だからこそできるニッチな商品です。それと、市と一体となって鶴ヶ島産サフランの宣伝・普及活動をしていることが大きいですよね。イベントなど休日返上でお手伝いしています。いくらお金を出したって協力関係がなければ、ここまでの展開はなかったでしょう」

先代から引き継いだ夢

日本全国を見渡してもめずらしいサフランコスメ。実をいうと、昭和35年頃、榎本さんの義父で創業者である先代の時代から、すでに構想は練られていたのです。

しかし当時サフランは、今以上に手に入りにくく高価だったため、製品化することはできませんでした。それでも諦めきれない先代は、サフランの色・香りをイメージしたスキンケア商品を作ってしまうほど、心を奪われていたといいます。

「サフランは、本当に夢のような植物なんです。コスメやハーブティーなら、気軽に取り入れてもらえると思いチャレンジしました。ここ関東から全国に発信し、たくさんの人の美と健康の維持に貢献していきたいです」

株式会社フッカーコスメチックス
東京都板橋区高島平9-37-5
03-3935-8898
http://www.hukka-cosmetics.com/