野菜、フルーツ、タンパク質食材をベースに、穀類やナッツをトッピングした「パワーサラダ」。3大栄養素をバランスよく摂取できる上に、ひと皿で満足感が得られると、健康意識の高い人を中心にジワジワと人気を集めています。
でも、食材をあれこれ買ってきて自分で作るのは意外と手間がかかるもの。
サラダ専門店に足を運ばなくても、プロが作ったパワーサラダを自宅で楽しめるオンライン販売がスタートしました。その名も『おうちで仕上げるパワーサラダキット』。
お店と同じ味をご自宅にお届け
全4種あるサラダキットでとくに人気なのが『合鴨の燻製とハニーナッツ』(1480円税込)。合鴨、オレンジ、葉もの野菜やミニトマト、ハニーナッツ、ミックスビーンズなどが素材ごとに包装されています。具材の一体感を生み出す自家製バルサミコドレッシングは、少し酸味があり大人の味わい。
「パワーサラダの特徴はフルーツが必ず入っていること。日常生活で不足しがちなビタミンやミネラルが摂れて、彩りあざやかな見た目も他にはないポイントです。また、野菜の食感をしっかり残したカッティングによって、主食として十分楽しんでいただけると思います」
そう話すのは、日本初のパワーサラダ専門店『HIGH FIVE SALAD(ハイファイブサラダ)』を運営する株式会社ハイファイブ・代表取締役の水野裕嗣さん(47歳)。
新型コロナ禍の影響から自宅で食事をする需要が高まってきたのを機に、サラダキットの販売に乗り出しました。
同社がとくに力を入れているのが、安心・安全なサラダを届けること。無農薬または減農薬栽培の野菜を中心に仕入れ、特別な洗浄装置で虫や細菌を除去し、塩素臭が残らず野菜本来の味を損なわない工夫をしています。
写真映えするスペシャル感
野菜の洗浄やカットが済んでいるので、袋を開けたらお皿に盛り付けるだけ。食材は、産地からユーザーに届くまで低温管理されているので、「カット野菜とは思えないほど新鮮」「日持ちがする」といった声が寄せられているそう。
おいしく仕上げるポイントは、はじめに葉もの野菜と半量程度のドレッシングを和えること。ボウルを使ってむらなく絡めると、ドレッシングと融合した味わいが楽しめます。
お皿に葉もの野菜をフワッと盛りつけたら、お肉とフルーツを交互に配置して、ハニーナッツなどをトッピング。最後に残りのドレッシングをトロッとかけたら出来上がりです。
発売から1ヶ月が経過して、運営マネージャーの斉藤晃久さん(29歳) は「お客さまから高評価のレビューをもらっていて、リピート率がすごく高い。認知されていけば、売り上げは伸びていくと思います」と手ごたえを感じています。
サラダをもっと日常の選択肢に
場所にとらわれないビジネスモデル作りに努めてきた同社は、テイクアウト・デリバリーの他にも、ナチュラルローソンに卸したり、企業向けのオフィスデリバリーを行ったりと販売チャネルを拡大し、ファンの獲得につなげてきました。
そうやって売り上げの柱を増やす一方で、地域密着の店づくりも大切にしています。
現在は奥神楽坂店、市ヶ谷店、牛込神楽坂店、早稲田店の4店舗を展開。最も広い早稲田店はモノトーンを基調とした居心地のよい空間で、2Fには日差しが気持ちいいバルコニー席があります。電源とWi-Fiが使用可能で、学生やノマドワーカーがカフェ感覚で利用しています。
店頭で販売するサラダは、レギュラー8種類と月替り1種類。早稲田店の一番人気は『アボカドとチキンのパワーサラダ』(Rサイズ980円税抜/Sサイズ780円税抜)。ドレッシングは8種類から選べるほか、フジッリパスタまたはグレインズを無料で追加できます。
「今はどちらかというとサラダを食べることがご褒美的な感じになっています。そうではなくて、ラーメン屋さんや牛井屋さんみたいに、日常の選択肢の中に入るような店を作りたいですね」
野菜は仕入れ価格の変動が激しく、経営上の悩みの種になっているそうですが、おいしいサラダを毎日食べられる価格帯で提供できるようになりたいという水野さんの考えは変わりません。
「近隣住民の方から『このエリアで一番ヘルシーなお店。ここに引っ越してきて良かった』というコメントをいただいたことがあって、すごく嬉しかったですね」
サブスクでウェルネスの領域へ
同社が次に目指すステージはヘルスケア。サラダのある生活を提案して、人生100年時代を生きる力を与えたいという目標を持っています。
そこで、ヘルシーなライフスタイルのきっかけづくりとして取り組んでいるのが“サブスクリプション”。2019年5月からサブスクリプションサービス『Sub.(サブ)』と提携して、通常1杯560円税込のグリーンスムージーを月額3000円で1日1杯提供しています。
さらに今年の4~6月には、あるパーソナルジムの会員を対象に、月額1万円で1日1回サラダを提供するサービスを試行。顧客データを分析し、サラダのサブスクで収益を生むにはどうすればよいかが見えてきたそう。
例えば、サラダのサブスクと合わせて、フィットネスやランニング、ヨガといったインストラクターのオフラインイベントに参加できる特典を付ける。料理以外でも差別化して、ユーザーとのつながりを強化するビジネスモデルを検討しているそうです。
「健康とは肉体的な面だけでなく、精神的、社会的に良好な状態であることだと思うんです。そういった広い意味のウェルネスを伝えていきたいし、ハイファイブがウェルネスという領域のハブになれれば、サラダに興味を持つ人も増えるんじゃないかな」
多彩な食材のハーモニーを堪能できるパワーサラダを軸に、ウェルネスな生き方を実践する人々を後押しする――。HIGH FIVE SALADは攻めの姿勢で前進していきます。
HIGH FIVE SALAD 早稲田店
東京都新宿区早稲田鶴巻町110 アークアイズ1F map
03-6265-9595
11:00~20:00
https://highfive.tokyo/