パリ仕込みのアイデア満載 ファッションブランド「Disk1」は店内工房でライブ制作

パリ仕込みのアイデア満載 ファッションブランド「Disk1」は店内工房でライブ制作

2024.8.5配信

江戸時代から現在にかけて商業と文化の中心地として栄えてきた日本橋。
この街のランドマークとして佇む複合施設『COREDO日本橋』の2階に、パリ生まれのアパレルブランド『Disk1(ディスクワン)』が、世界唯一の実店舗と作業場を構える。

会社勤めのコーディネートに、ひそかな遊び心を散りばめて

店内をのぞくと、モノクロを基調とした個性的な洋服、そして、服やバッグにプリントされた自由気ままな猫たち。
会社勤めの人々も立ち寄るこの店で一番人気を誇る商品は、オフィスワークにも馴染むシャツのシリーズだ。

「襟ポコシャツ 税込23,100円」は、襟に綿が入っているようなポコッとした膨らみがあり、切り替えが胸の位置にあるから、着ると全体的に丸くやわらかい印象になる。
「2タックシャツ 税込24,200円」は、一見ボタンを掛け違えているようにも見えるユニークなデザイン。「どっちを開けて着るの?」と、着る人も見る人も楽しいアイテムだ。

この春発表の新作にも遊び心が満載だ。
「テーラードカラーのようなウールジャケット 税込60,500円」は、左側の襟だけ途中から消えている。切り替えが後ろにある「ウール2タックパンツ 税込34,100円」は、履いてみると後ろ姿のシルエットがすっきりし、スタイルアップ効果も抜群。
生地はすべて薄くハリのある丈夫なスーツ素材を使っているため、着心地も快適だ。

「お客さまにいたずらを仕掛けることが、Disk1らしさかなと思います。服を買ったお客さまが、今度は友人や出会った人にいたずらを仕掛けてくれたらうれしいです」

Disk1の代表であり、デザイナーの髙橋大輔さん(46歳)はそう話す。

大量生産しない。小規模・少人数・手作りで

店内には大きな作業台とミシンがある。これらを使い、デザインから縫製まで一連の作業が行われ、店舗で販売される洋服が作られている。実際に作っている現場を見てほしいという髙橋さんの想いから「店舗内に作業スペースを作りたい」と自らCOREDOに掛け合い、実現に至った。

ここで髙橋さんはデザイン・パターンを担当。裁断と縫製を担っているのは、髙橋さんとパリで出会い、15年来の仕事仲間である西野さん。西野さんの手掛ける縫製の美しさに惹かれて商品を買い続けるお客さまも多く、髙橋さんからも絶大な信頼を置かれている。

「私はデザインに関しては一切口出ししません。世界観が崩れてしまうから。私にできるのは、縫って形にすることだけです」

今の時代は工場での大量生産が主流だが、Disk1は大量生産をしない。同じものは数点しか作らず、手作りで仕上げる。

「人と被らないので特別感がある。そんなところをお客さまが一番喜んでくださっているんです」

服の製作を担う西野さんや髙橋さん自身が店舗でお客さまと会話を重ねることで、その声が服作りにも反映されていく。

パリで学んだ“立体的”感覚を日本に持ち込んで

工業高校を卒業後、東京とパリでファッションを学び、現地のファッションブランドに6年勤めた髙橋さん。パリコレの経験を重ねた後、パリで自身のオリジナルブランド『Disk1』を立ち上げた。

平面をベースに考える日本のデザインに対して、パリや海外のデザインは、より“人ありき”で立体的。人に着せて美しい状態を模索する。そんな立体的なデザイン感覚を存分に吸収し、髙橋さんはDisk1とともに日本に舞い戻った。

「服のデザインは、日常の些細なことから思いつくことが多いです。たとえば、朝起きて布団を持ち上げたときのクシャッという感じや、シャツを着てボタンを掛け違えてしまったときに、面白いな、これをどんなふうに洋服にできるだろう、と考えるんです」

もともと話下手だったという髙橋さん。学生時代に自分が着ている服について「それどこで買ったの?」「その服、どうなってるの?」と声をかけられることが多く、服のことなら楽しく会話ができることに気が付いた。それがファッションの道へ進むキッカケになったという。そんな髙橋さんにとってDisk1というブランドは、人とつながるための大切なコミュニケーション手段でもある。

ブランドのターゲットは持たない。こんな方が気に入ってくれるのか、という意外な出会いの可能性をできるだけ広げておきたい。

実際、10代から80代までの幅広い年齢層、生活スタイルや服の系統も様々な人々がDisk1に足を運んでいる。お客さまには、「面白いね」「他にない感じだよね」といった言葉をもらう。ユニークなのに奇抜すぎず、どんなシーンにも合わせやすいからこそ、あらゆる人にフィットする。

看板商品の猫シリーズは今後もぞくぞく展開予定

Disk1の看板商品のひとつである猫シリーズが生まれたのは、コロナ禍でのお客さまの声から。
布マスクに猫のプリントを遊びで入れてみたところ、猫好きの方から反響を呼び「Tシャツにしてほしい」との声が高まった。

それぞれの猫にはストーリーがあり、「準優勝したから、、、もう練習いいやTシャツ 税込4,290円」、「スマホに機種変したけどわけがわからずイラつくパリピママトレーナー 税込6,930円」など、商品名を読むだけで思わずふふっと笑みがこぼれてしまう。

スタイリッシュでお茶目な猫シリーズは日常シーンにも馴染みやすいと評判で、今後さらにバリエーションを増やしていく予定だ。

“服を纏う”をもっと楽しく

「今後は革やニットなど、まだ扱っていない素材にも挑戦してみたいです」

お店の規模や店舗を増やすのではなく、あくまで手作りにこだわりながら、商品を展開していきたいという。様々な人に、多様なシーンで身に着けて楽しんでもらえるように。

服を纏うという毎日の習慣が今より少し楽しくなると、日常は想像以上に豊かになる。
パリで生まれた日本人のブランド「Disk1」は、日本橋にある世界唯一の店舗兼作業スペースから、いたずら心たっぷりに、そんな楽しみを発信し続ける。

Disk1
東京都中央区日本橋1-4-1 コレド日本橋2F map
070-8418-8309
11:00~20:00
最新の営業時間はCOREDO日本橋ホームページの「インフォメーション」内に記載。
https://www.diskone.me/
https://www.instagram.com/disk1.me/